ブルーベリーの挿し木・増やし方|時期・手順・成功のコツを農園主が解説
「気に入ったブルーベリーの品種を増やしたい」「農園で食べた品種の苗を自分で作りたい」——ブルーベリーは挿し木(さしき)で増やすことができます。コツをつかめば初心者でも成功できる方法を、農園主が詳しく解説します。
目次
挿し木の2つの方法
| 方法 | 時期 | 使う枝 | 難易度 | 発根までの期間 |
|---|---|---|---|---|
| 休眠枝挿し(おすすめ) | 2月〜3月上旬 | 前年に伸びた枝(休眠中) | 比較的簡単 | 約2〜3ヶ月 |
| 緑枝挿し | 6月〜7月 | 今年伸びた新しい枝 | やや難しい | 約1〜2ヶ月 |
初心者には2〜3月の休眠枝挿しがおすすめです。剪定した枝を活用できるため無駄もなく、成功率も高めです。
休眠枝挿しの手順(2〜3月)
①挿し穂(挿す枝)の準備
- 剪定した枝から充実した太さの枝(えんぴつ程度の太さ)を選ぶ
- 長さ10〜15cmに切りそろえる
- 上部に葉芽(膨らんだ芽)が2〜3個ついていることを確認
- 切り口は斜め(45度)に切ると発根面積が増えて成功しやすい
- 乾燥しないようすぐに水に浸ける(1〜2時間)
②挿し木用土の準備
- ピートモス(酸度調整済み)100%、またはピートモス7:パーライト3の配合が最適
- 一般の培養土は使わない(肥料分が多く挿し穂が腐る原因になる)
- 清潔な容器(プラスチックカップ・育苗ポットなど)に土を入れる
- 土は挿す前に水でしっかり湿らせておく
③挿し木の手順
- 水に浸けた挿し穂の切り口に発根促進剤(ルートン)を薄くつける(なくてもOKだが成功率が上がる)
- 割り箸や鉛筆で土に穴を開けてから挿し穂を差し込む(直接差すと発根促進剤が取れてしまう)
- 挿し穂の1/3〜1/2を土に埋める(約3〜5cm)
- 土を軽く押さえて挿し穂を固定する
- たっぷり水を与える
④発根までの管理
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 置き場所 | 半日陰(直射日光は避ける)。室内の明るい窓辺でもOK |
| 水やり | 土が乾いたら与える。乾かしすぎず・湿らせすぎず |
| 温度 | 15〜20℃が理想。寒すぎると発根が遅れる |
| 発根の確認方法 | 軽く引っ張って抵抗感があれば発根のサイン。2〜3ヶ月後に確認 |
| 肥料 | 発根するまでは与えない。発根確認後に薄い液体肥料を |
緑枝挿しの手順(6〜7月)
緑枝挿しは今年伸びた柔らかい新梢を使います。乾燥しやすく管理が難しいですが、発根が早い利点があります。
- 今年伸びた枝(緑色でやわらかい)の先端から8〜10cm切り取る
- 下の葉を取り除き、上部の葉2〜3枚だけ残す。葉が大きければ半分に切って蒸散を減らす
- 切り口に発根促進剤をつけてピートモス主体の土に挿す
- ビニール袋や蓋で覆って湿度を保つのが成功の鍵(湿度80%以上をキープ)
- 毎日霧吹きで葉に水をかけて乾燥を防ぐ
- 1〜2ヶ月で発根。発根後は徐々に外気に慣らす
挿し木成功率を上げる3つのコツ
- 充実した枝を選ぶ:細すぎる枝・徒長した枝は失敗しやすい。えんぴつ程度の太さが理想
- 清潔な道具と土を使う:細菌・カビによる腐れを防ぐため、ハサミは消毒してから使う
- 焦らず待つ:発根を確認しようと引っ張りすぎると根が切れる。2ヶ月は触らず待つ
発根後から鉢上げまで
発根が確認できたら(引っ張って抵抗感がある状態)、ブルーベリー専用培養土を入れた6号鉢(直径18cm)に丁寧に移植します。植え替え後は2週間ほど半日陰で管理してから、徐々に日当たりの良い場所に移します。収穫できるようになるまではさらに2〜3年かかりますが、お気に入りの品種を自分で増やす楽しさは格別です。
農園主からひとこと
農園では毎年冬の剪定で出た枝を挿し木にしています。全部が発根するわけではありませんが、成功した苗は翌年の農園の仲間になります。挿し木は「失敗しても元の木は傷まない」のが良いところ。剪定した枝を捨てるより挿し木に挑戦してみてください。成功した時の喜びは大きいですよ。

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